かごしま文化財事典プラス

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文化財特集
鹿児島の歴史と文化財

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鹿児島の歴史と文化財

現代

世界に誇る鹿児島の自然や文化

 鹿児島県には、南北 600㎞に及ぶ広大な県域の中に、美しい自然環境が織りなす四季折々 の景観、特色ある島々、奥深い歴史や文化など魅力ある資源が豊富にあります。
 屋久島は、特異な生態系と優れた自然美を有していることを評価され、平成5(1993)年 12 月に日本で最初の世界自然遺産として登録されました。国立公園や森林生態系保護地域の一部のほか、原生自然環境保全地域と国の特別天然記念物「屋久島スギ原始林」の全部が重複しており、海岸線近くの亜熱帯的な要素を含む照葉樹林帯から、山岳部のスギ林帯、ヤクシマダケ草原帯までを含む、島の全面積の約2割に相当する範囲が世界自然遺産に含まれています。

 奄美大島及び徳之島は、国の特別天然記念物「アマミノクロウサギ」や国の天然記念物「ルリカケス」など国際的にも希少な固有種が多く生息・生育する生物多様性保全上重要な地域であることが評価され、沖縄の2つの地域とともに、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」として、令和3(2021)年7月に世界自然遺産に登録されました。
 また、ユネスコ無形文化遺産である「来訪神:仮面・仮装の神々」は、仮面・仮装をまとった「来訪神」が、正月などに家々を訪れ、新たな年を迎えるに当たって怠け者を戒め、人々に幸福をもたらす年中行事が登録されたもので、平成 21(2009) 年に国の無形民俗文化財である「甑島のトシドン」が登録されました。その後「来訪神:仮面・仮装の神々」とグループ化して登録に向けた取組を進めることとなり、その結果「甑島のトシドン」に加え、国の無形民俗文化財である「薩摩硫黄島のメンドン」(三島村)と「悪石島のボゼ」(十島村)も平成 30(2018)年にユネスコ無形文化遺産に登録されています。